POESRで「RWBY」的な輪郭線?



先日、POSER PRO 11を購入しにSmith Microのホームページに行ったところ、如何にもMMD風な絵柄の「RWBY」という動画が貼ってありました。"RWBY created in Poser Pro © Rooster Teeth"とあるし、なにやらPOSERで作っているようなのですが、本当かなと半信半疑で觀てみました。

「RWBY(ルビー)」という作品はその時初めて知ったのですが、もう2年ぐらい前からネット配信されていて、もうすでに3クール目が始まっているというぐらい大人気作品とのことでした。確かに、迫力とかスピード感とか圧倒されるものがあり、人気があるのも頷けます。面白そうですね。

ただ、自分的に気になったのはそのトゥーンの表現です。自分の知っているPOSERの表現とはまるで違いすぎて、本当にPOSERで作っているのか不思議な感覚に陥りました。特に、輪郭線です。すごく、くっきりしていてまるでMMDの様です。

POSERの標準のトゥーンレンダリングでは輪郭線はMMDの様にくっきりな感じには表現は出来ません。そういう手法をやっている人がいるのかどうか色々ググってみましたが、やっぱりPOSERでセル画風アニメをやっている人は少ないようでまるで手掛かりも掴めませんでした。

本当にあの表現をPOSERでやっているというのなら確かに出来ないこともないという気もしてきました。自分なりに思い当たる方法があるので試してみたいと思いました。





これは御影シエナをPOSER PRO 11で標準的なトゥーンレンダリングをしたものです。輪郭線は全体描写を使用せず各パーツごとに色や太さを変えてあります。

拡大しないと分かりにくいのですが顔と脇の下辺りは内側に滲んだようになってしまいます。これがクセモノなのです。黒で描写すると墨が滲んだように感じるので色を付けて誤魔化しています。








これは、球とBOXをトゥーン設定して描写したものです。どちらも同じ設定で「LineWidth(輪郭幅)」は0.2です。球の方は輪郭線がありますがBOXの方は輪郭線がありません。反射角によって平面全体が黒くなってしまったりします。べつに光源が暗くなっているわけではありません。輪郭線が滲んでしまうのです。輪郭線が0.0ときはそうはなりません。

POSERで輪郭線をつけようとする時、丸みのあるものはうまく表現が出来ますが、角ばっていたり広い平面があると思うように表現するのが難しくなります。

全てのマテリアルに輪郭を描写する方法もありますが、これまた思うように表現するのが難しくなります。例えば、目の周りの線はいらないのに、とかポリラインが整ってないところとか意図しないところに線が引かれてしまいます。





これは全体的な輪郭線を付けてみたものですが、結構残念な結果になってしまいます。(拡大して見るとわかると思います- -;)

静止画ならうまく見えるアングルでレタッチを使って効果的に使えるかもしれませんが、アニメーションとなれば納得出来ない描写になる可能性が高くなると思います。そういうことからPOSERでセル画風アニメ的表現は難しく、やろうとする人が少ないのだとも思います。

「RWBY」では製作者が意図したところに効果的に輪郭線が描かれているように感じます。図太く、滲まずくっきりと。おそらく、「ポリゴン面の裏」を使う表現ではないかと思っています。

ポリゴン面には表と裏があり一般的には裏側は黒くレンダリングされます。MMDなどのリアルタイムレンダーエンジンなどでは対象のポリゴンモデルの一回り膨らませて裏返にして輪郭線に見せているようです。

POSERでこれと同じ様な方法を手っ取り早く試せるのが「Comic Book preview」の「Geometric Edge Lines」です。POSER11で強化されました。





これは「ドキュメントウィンドウ」を右クリック、「Cartoon Settings」から設定できます。プレビュー画面ではポリゴン面の裏は透明となるのでそれを利用しているのでしょう。





このエッジラインの太さは「ドキュメントウィンドウ」下の右端のボタンをクリックして現れるパラメーターでリアルタイムに確認しながら変更できます。「Weld」は囲いの頂点をくっつけて(溶接して)おくかということです。

また、個々に太さを変更したいときは「マテリアルルーム」の詳細タブのところで出来るようです。太さを変化させるキーフレームも打てるみたいですね。

しかし、これらはプレビューレンダリングでしか使えません。FireFlyなどでは反映されません。でも、同じような表現はFireFlyでもやれないことはありません。





BOXなどの小道具を用意してグループ編集パレットでBOXを複製してその作成したものを少し拡大して、マテリアルを黒にしてグループの法線を裏返しにしておきます。

それを元箱のペアレントにしておくとアニメーションさせるときなど一緒に動かせて便利です(グルーピングでもいいですけど)。これでプレビューでは擬似輪郭が描写されます。





しかし、このままFireFlyでレンダリングしても真っ黒になってしまいます。ポリゴンの裏面は光を反射しないからです。そこで、「レンダリング設定」の「Remove backfacing polys(反転ポリゴンを削除)」にチェックを入れておきます。これでプレビューと同じようにポリゴン裏面は透明になります。





FireFlyでレンダリングした図です。囲いの裏面がレンダリングされず表を向いている所が黒い輪郭線のように見えます。「Toon outline」は使ってません。まぁ、こういう機械的なものならテクスチャーで角を描くという表現もありかもしれませんね。

それで本題の「RWBY」的な輪郭線なのですが、これの応用でいけるのではと思いました。しかし、これまでのやり方は小道具には有効ですが人間や動物のようなメッシュが変化するアニメーションでは対処できません。

そこで思いついたのは輪郭線を付けたいフィギュアを複製して、それを一回り大きくして黒く塗ってポリゴン面を裏にして重ねて動かすという方法です。要するに、ボーンごと一緒に動かそうと言うわけです。

洋服などフィギュアを二体三体重ねて動かすというPOSERというソフトだからやれそうな技です。輪郭線用のフィギュアを着用させるという方法もありますが、そうなると表情モーフには対応できない。

まず、フィギュアでモーションを完成させてから、そのモーションを輪郭線用フィギュアにコピーして同じ動きをさせれば表情モーフもいけるのではないかと考えました。





実験用にPOSER上で輪郭線用フィギュアを作ってみました。元のフィギュアと重ねて動かしています。今回は頭のみ表示で他は非表示にしてあります。

即席なので輪郭線の太さなど一定ではないのですが、輪郭線用フィギュアごと表情モーフを変化させることは一応うまくいったようです。フィギュアを作成する時こういう手法を念頭においておけば、もっと精度が上がるとは思います。(まつ毛が二重になってしまっていますね^^;)

この方法であればパーツごとに輪郭線の有無や色も個々に設定できます。「RWBY」でもそんな箇所を確認できます。しっかし、あの動画を見るまではPOSERでこんな手法を使ってセル画調の輪郭線を試してみようと思うことはなかったでしょうね。(^^;)

実際に「RWBY」のアウトラインがどういう手法で表現されているかは分かりません。スタジオ独自開発の専用のスクリプトやプラグインなどを使っている可能性もあります。

「RWBY」を観てからPOSERに興味を持つ人もいるかもしれません。セル画調が表現しやすくなったらもっとPOSERはメジャーになると思いますね。POSER11のマニュアルには今後もトゥーンの表示スタイルは追加提供していくと書いてありますから、期待して待ってましょうか。



~後日追記~

「RWBY」的な輪郭線であるPOSER11からの新機能「Geometric Edge Lines」を試した記事を書きました。よろしかったらこちらも読んでみてください。

Poser用フィギュアにコンバート
http://initmusic.blog.fc2.com/blog-entry-105.html


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コメント

RWBYの不思議について

Geometric Edge Linesに関してググっていたら、ここにたどり着きました。

RWBYは私も以前に考えたんですが、単純に「プレビューレンダリング」+「Geometric Edge Lines」って事はないですかね?あの作品はレンダリングしないとできないような高度な影やフォトリアル表現をしていないので、プレビューレンダリングで問題無いような気がします。
ほぼテクスチャ+ベタ色ですし、陰影はテクスチャに直接書き込んでます。日本のローポリゲームでもよくやってる手です。

あとは動画にしてからアフターエフェクトなどで魔法などの特殊処理を施してるんだと思います

Re:RWBYの不思議について

私がここで試した輪郭線の手法は「背面法(バックフェイシング)」というものです。POSERでもできそうかなと思ったのでやってみました。

私が見たRWBYの動画は年代的におそらくPOSER PRO 2012か2014で作られていると思います。「Geometric Edge Lines」はPOSER 11からの新機能です。POSER10や2014まではプレビューで個々に輪郭線を制御する機能がありませんでした。

RWBYはまだSmith MicroのHPに貼ってあったのとYouTubeで始めの3話ぐらいしか見てないのですが、例えば同じ体でも腕と足など細かくパーツごとに輪郭線の色が変わっていたり消されていたりとPOSER10までのプレビューレンダではそれはできないのでFireFlyで「バックフェイシング」かなと思いました。今回は即席にPOSER上で複製しましたが、外部モデラーを使えばもっと均一に大きくすることができます。

最新のRWBYはまだ見ていませんが、もしかしたら今後「Geometric Edge Lines」が使われることはあり得るかもしれません。始めは色は黒しか使えませんでしたがバージョンアップして今では個々に付けられるようになりました。見た目も改善されたような気がします。Smith Microも公式でRWBYを宣伝に使うのならばどういう手法を取っているかぐらい公開してもらいたいものですね。

No title

突然のコメントに丁寧なお返事ありがとうございます。

> 私が見たRWBYの動画は年代的におそらくPOSER PRO 2012か2014で作られていると思います。「Geometric Edge Lines」はPOSER 11からの新機能です。

そうですそうです。私も最初はその点が引っかかっていたので違うだろうと思っていました。しかし、あの作品の絵作りと、「Geometric Edge Lines」を検証するにつれ、RWBYはこれを使ってるんじゃないか?と本気で考えるようになりました。

そもそもRWBYはSmithMicroが公式スポンサーとなって販促の一種のような形で作られた作品のようですから、開発元があの作品製作にも関わってる可能性は低くないと思います。AutoDeskの統合ツールなどでもよくある話ですから。「Geometric Edge Lines」自体が、RWBYのために作られ一般よりも先行使用されていた機能を、新機能として一般向けPoserにも標準搭載した可能性はないでしょうか。

「Geometric Edge Lines」は、Poser11の一般向けトゥーン機能として作られた機能にしては「レンダリングした画像で使えない」という致命的欠陥があり、11の目玉機能であるSuperFlyとも連携できず、一般消費者向けにアピールするための新機能として仕様がチグハグです。しかし最初からプレビューレンダリングで作られているRWBY専用に作られたものだったとするならこの点がしっくりくるとおもえるのです。どちらにせよ、確認する方法はないので、そう思う、と言うだけの考察なのですがw

Re:No title

Poser10で試してみたらFireFlyだけでなくプレビューレンダでもバックフェイシングで輪郭線の色を個々に変えられますね。何か思い込みしていました。あとで記事の方は修正しておきたいと思います。

そうなるとSmith MicroがRooster Teethの要望でプレビューレンダ用の「GeometricEdge Lines」的なスクリプトを提供していたという可能性は十分ありえるかもしれませんね。それと同等なものを新たに「Geometric Edge Lines」として開発し始めたという感じでしょうか。まあ、どの道憶測の範囲は超えませんけどね。

それにしても、久しぶりにMMD風モデルをPOSER PRO 11に入れてトゥーンマテリアルにして「Geometric Edge Lines」を調節したらプレビューはもうまるでMMDにしか見えないぐらいのクオリティーですね。前はここまでの感じでも無かった気がします。バージョンアップしたせいでしょか。

以前の表現方法は知る由もありませんが、今後はRWBYにもこれを使うことでしょうね。なんにせよ、この新たなトゥーン表現方法の導入はPOSERユーザーにとって嬉しいことですね。

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